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海外競馬ニュース
2011年07月28日  - No.30 - 2

競馬賭事賦課公社の前会長、BHAのロイ会長に反論(イギリス)[その他]


 競馬賭事賦課公社(Levy Board:賦課公社)の前会長であるロブ・ヒューズ(Rob Hughes)氏は6月23日夜、BHA(英国競馬統轄機構)のポール・ロイ(Paul Roy)会長からBHAの財政危機の責任を負わされて辛辣な批判に直面している賦課公社を弁護した。

 BHAのロイ会長は6月23日付のレーシングポスト紙において、競馬界の財政危機に際して賭事業界と対決しなかった例として、賦課公社がブックメーカーの海外移転を問題視しなかったことと、事業目的のベッティング・エクスチェンジ利用客に対する賦課金支払いを追求しなかったことを挙げ、同公社は勇気がないと非難した。

 賦課公社の関係者が賦課公社が格好のターゲットにされているという思いがあることは理解できるが、誰も公表を前提に意見を述べる覚悟ができていなかった。一方11年間賦課公社の会長を務め18ヵ月前に退任したヒューズ氏は、自身の在任中にも同じような嵐 を乗り切らなければならないことがあったことを認めている。

 ヒューズ氏はロイ会長のフラストレーションが理解できると述べたが、「賦課公社は国家機関なので、BHAのような機関とは別の制約を強いられます」と付け足した。

 同氏は次のように続けた。「賦課公社が最善の法的助言を受け入れなければならないことは明らかである。しかし、ベットフェア社(Betfair)の賭事客に賦課金を課すという議論において、それが合法的で適切であるとする法的前例や法的見解がないのであれば、賦課公社のような国家機関はそのようなことを実行することはできません。もし実行すれば、即座に異議を申し立てられ、司法審査などに直面することになります」。

「非難しているのは立派な方々ですが、もともと賭事産業と競馬界の間には建設的な対話が長い間欠如しています」。

「私はブックメーカーが海外に移転することをもちろん残念に思っていますが、それは政府が対処する事柄であって、賦課公社には成す術がありません。立法行為を要する事柄だからです」。

 そして次のように付け足した。「競馬界は常にブックメーカーから資金を引き出そうとしており、競馬界は彼らが十分に拠出しているとは感じていません」。

「一方ブックメーカーは競馬界のために十分に拠出していると感じており、中には支払い過ぎていると感じている者もいます」。

「この状態が変わらない限り、賦課公社はいつも皆が叩きたがる板挟みの状態になります。フラストレーションが溜まっていて他にやりようのない時や、あるいはロイ会長の記事の中での発言から感じられるように追い詰められている時は、特にそうです」。

 またロイ会長は、ベッティング・エクスチェンジ提供会社が賦課金を支払っていないこともやり玉に挙げたが、ベットフェア社はこれに対してコメントしなかった。

By Graham Green

[Racing Post 2011年6月24日「Former Levy boss hits back at Roy」]


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