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海外競馬ニュース
2011年07月07日  - No.27 - 1

ベットフレッド社、トート社の新オーナーとなる(イギリス)[開催・運営]


 ブックメーカーのベットフレッド社(Betfred)はトート社(Tote)争奪戦に勝利し、6月3日国有の賭事業者を総額2億6,500万ポンド(約371億円)で買収する契約を政府と交わした。

 1億8,000万ポンド(約252億円)の純利益は、政府と競馬界で折半されることとなっている。

 フレッド・ダン(Fred Done)会長率いるベットフレッド社は、元BHB(英国競馬公社)会長であるマーティン・ブロートン(Martin Broughton)氏が所有するスポーツインヴェスティメントパートナーズ社(Sports Investment Partners: SIP)との買収競争に勝利した。

 賭事と競馬を担当するジョン・ペンローズ(John Penrose)観光・文化・遺産大臣は、「この時代に政府がブックメーカーを一部所有していることについて、多くの国民から理解が得られません。そこで私たちは昨年、何年にもわたる優柔不断の政策に終止符を打ち、トート社の将来を決定することを誓いました。本日はそれを実行したまでです」と語った。

「入札プロセスにおいて、私たちは競馬界および英国中の仕事熱心なトート社スタッフのために最善の契約となるよう全力を尽くしました」。

「本日の契約によって競馬界が、純利益の50%だけではなく、現在の商業報酬の流れと削減人員の抑制についての保証をベットフレッド社から得られたことに満足しています」。

 ジェレミー・ハント(Jeremy Hunt)メディア・スポーツ・文化大臣は、次のように語った。「非常にきわどい入札でしたが、最終的にトート社と競馬界の両者に対してそれぞれが求めてきたものが与えられました」。

「入札額の2億6,500万ポンド(約371億円)のうち9,000万ポンド(約126億円)強の額が財務省に支払われることになります。この契約は、競馬界の利益、トート社の職員およびトート社の年金基金が最大限に重視されるような内容になっています。」。

 一方入札に敗れたブロートン氏所有のSIPは、BHA(英国競馬統轄機構)、競馬場協会(Racecourse Association: RCA)およびホースメングループ(Horsemen’s Group)により支持されていたが、今回の結果を受けて同氏は、「すべての人々、中でも私たちの入札にはっきりと支持を表明してくださった競馬界の人々に感謝したいと思います。しかし、

 政府が私たちの入札提案を却下したことには非常に残念で、その決定に至るまでの詳細について入念に調べるつもりです」。と語った。


ベットフレッド社の落札契約の概要

*契約額は、初回の支払い1億5,000万ポンド(約210億円)と、未収利息を含む繰延額1億1,500万ポンド(約161億円)からなる2億6,500万ポンド(約371億円)。

*約6,000万ポンド(約84億円)の債務と2,500万ポンド(約35億円)の年金積立分を支払った後の純資産は、少なくとも1億8,000万ポンド(約252億円)。

*純利益は9,000万ポンド(約126億円)ずつ、納税者と競馬界に分けられる。競馬界への配分額は国庫助成ルールに従って決められ、その配分に当たっては政府の同意を要する。

*ベットフレッド社は、競馬界に対して2012年3月までに1,100万ポンド(約15億4,000万円)、その後6年間に毎年900万ポンド(約12億6,000万円)の商業報酬を支払う。

*ベットフレッド社は、2011年3月から7年間有効の独占的なプール賭事免許を引き継ぎ、少なくとも3年間はトート社の賭事プール事業を売却しない。

*ベットフレッド社は、トート社のブランドを維持し国際的に賭事プールを成長させる機会を追求する。競馬界の代表者および社内の新たなポストである競馬担当理事をメンバーに含むトート社開発委員会を設立する。

*ベットフレッド社は、初年度に150人ほどの人員削減を行い、スタッフを約8,500人に集約する。

By Howard Wright
(1ポンド=約140円)

(関連記事)海外競馬情報 2011年 No.6 「トート社売却益の半分は競馬界に与えられる(イギリス)」

[Racing Post 2011年6月3日「Betfred named new owners of the Tote」]
 


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