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海外競馬ニュース
2011年05月12日  - No.19 - 1

ウィンスター牧場による新規ファン獲得・既存ファン固定化のための新プログラム(アメリカ)[その他]


 2頭のダービー馬を送り出したケンタッキー州中部のサラブレッド生産と競馬事業を主体とするウィンスター牧場(WinStar Farm)は、一般の競馬ファンが、仔馬に命名したりウィンスター牧場専用のボックス席でレースを観戦することを含む同牧場の一連の活動に参加することができるプログラムを立ち上げた。

 4月初めに立ち上げられた“ステーブルメイト”というこのプログラムは、競馬産業がそのファン層の衰退傾向と急速に先細りしている市場シェアを反転させようと努めている現状において、新しいファンを作り出し同時に既存のファンを結束させることを試みる数少ない新しいアウトリーチ(より広い範囲へ働きかける)計画の1つである。

 この試みが成功するかどうかはまだ明らかではないが、この計画は競馬産業の関係者がそれぞれ、調整された全国的マーケティング戦略が不在ではあるものの、ファンを惹きつけ維持する実験的に新技術とインターネットおよびソーシャルネットワーキングの費用の安い市場支配力の利用を試みていることを証明している。

 たとえばキーンランド競馬場は、4月8日の春開催開幕時にファンが無料で各レースの3頭を選びその馬の着順をベースにポイントを累積するインタラクティブなビデオゲームを立ち上げる。このゲームは現在8万人を少し上回るメンバーを有するキーンランド競馬場のフェイスブックのページと結合しており、参加者は自身が行った選択でトロフィーを獲得したときに友人に知らせることができる。このゲームでは、競馬施行日と競馬開催ごとにもっとも多いポイントを累積した参加者に賞が与えられる。

 キーンランド競馬場のコミュニケーション担当理事であるジュリー・バログ(Julie Balog)氏は、「私たちの競馬場はこのようなことをすることが大好きです。私たちはこのような実験における培養器になることを望んでいます」と語った。

 “ステーブルメイト”プログラムには前例がない。ファンは無料で、ウィンスター牧場のウェブサイトと結合されているいくつかのゲームとコンテストを楽しむことできる会員に登録することができる。またこのプログラムには3つのレベルの有料会員制もあり、最も高いレベルの会員は、キーンランド競馬場やチャーチルダウンズ競馬場の個室付き特別観覧席に行くことができるほか牧場における出産に立ち会うことができる。

 ウィンスター牧場の種牡馬・競走馬担当部長であるロバート・ハモンド(Robert Hammond)氏は、「私たちが知っているかぎりでは他にこのようなプログラムはありません。このことは明らかに販売促進となり、ウィンスター牧場の名前をあらゆる場所で知ってもらうチャンスとなるでしょうし、人々が競馬産業に一層深くかかわることや、他ではできないような体験をすることを促進するでしょう」と語った。

 会員制の最高レベルであるグレード1の会費は告知されておらず、ハモンド氏はそれに言及することを控えた。しかし、特典リストが十分に活用されるのであれば、おそらく年間合計数千ドルの価値に及ぶだろう。

 グレード2の会費は年間299.95ドル(約3万円)であり、ピクニック形式の昼食のついた牧場の無料ツアー、牧場の年に1度のパーティーへの招待、他の特典の中では同牧場が所有する個室付き特別観覧席の使用権の抽選が含まれている。グレード3の会費は年間99.95ドル(約1万円)であり、グレード2の規模を小さくしたものである。

 ハモンド氏は、利益を生み出すために設計されたものではないと述べ、ウィンスター牧場はこのプログラムを運営し会員をもてなすためにスタッフの増員を行わなければならず、プログラム全体を開発するのに6ヵ月を要したと付け足した。

 同氏は、このプログラムを4月の初めに立ち上げてから、すでに数百人が無料会員に登録したと述べた。

 ハモンド氏は、「私たちはただ、参加者が競馬の活動の全域にわたる体験することを望んでいます」と付言した。

By Matt Hegarty
(1ドル=約100円)

[Daily Racing Form 2011年4月3日「New program lets fans in on action」]
 


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