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海外競馬ニュース
2010年09月16日  - No.37 - 3

レスター競馬場、ベッティング・エクスチェンジ賭事客に部屋を賃貸(イギリス)[その他]


 賭事委員会(Gambling Commission)の職員は6月の競馬開催日に訪れた際、レスター競馬場が、個人のベッティング・エクスチェンジの賭事客に対して、競馬場の向かい側の使用されていなかったホテルとスカッシュクラブの施設で部屋を賃貸していることを発見した。

 ミッドランド地域の法令遵守部長であるロジャー・ロム(Roger L’Homme)氏が内部情報に基づいて捜査をすでに行っているかどうかは定かではない。しかし電線が道路を横切って張られているのが発見され、その電線によって、通常ならば誰もいない建物の中で100ポンド(約14万円)と付加価値税(VAT)を支払って賭事を行う顧客に対して、競馬のライブ映像の提供が行われていた。

 レスター競馬場の東側に、“もてなしスペース”への強い要望を受けて造られたこの場外施設は、その後閉鎖されている。しかし今回の出来事がレスター競馬場に対して影響を与えた可能性があり、地方自治体当局は、賭事委員会により取り上げられたことをうけて、安全衛生と防火法規の違反の可能性について調査を行うものと考えられている。

 常連客を歓迎することは別として、賭事委員会は2009年12月、英国の各競馬場に対して競馬開催日に賭事客に“もてなしスペース”を賃貸することに関連した“恐れ”について警告を与えていた。その“恐れ”とは、ベッティング・エクスチェンジを行うときに場内テレビと各家庭のテレビとの間に3秒から4秒の時間差があることを踏まえ、特に衛星放送事業者のアットザレーシズ社(At The Races)と提携している競馬場においてこの時間差を巧みに利用する賭事客が出てくる可能性があるということである。

 賭事委員会は、“取引ルーム”を“人々がインターネットその他の手段によってベッティング・エクスチェンジのような第三者と賭事を行える機材が設置してある場所”と定義しており、この種の場所を設置するには賭事運営免許の取得が必要であるとしている。

 しかしレスター競馬場は7月28日も競馬開催を予定しており、この出来事を重要視はしていない。

 同競馬場のマネージャーであるデヴィッド・メイケルズ(David Maykels)氏は、「賭事委員会は私たちの競馬場を訪れましたが、何の問題もありません。私たちはホテルの再開発に取り組んでいる途中であり、改装中の2〜3の部屋を一時賃貸しましたが、委員会の意向に沿わなかったのでやめて閉鎖しました」と語った。

 同氏は次のように付言した。「賭事法を読めば、特定の目的のために部屋を開放することが許されないと規定している2、3の点があります。しかし、ホテルが通常の営業を行っていたのであれば、単にホテルの一室を提供していただけで、問題にはならなかったでしょう」。

 賭事委員会のスポークスマンは、「私たちは個別の案件についてコメントを控えますが、現在のところ議論のあった活動は行われていないと判断しています」と語った。

 レスター競馬場を管轄するオードビーとウィグストンの市議会はこの件に関するコメントを拒んだ。

By Graham Green
(1ポンド=約140円)

[Racing Post 2010年7月28日「Leicester racecourse hired rooms in disused hotel for exchange player」]


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