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海外競馬ニュース
2010年08月05日  - No.31 - 2

ニューマーケット競馬場、賦課金収入の減少を受け賞金削減(イギリス)[開催・運営]


 ニューマーケット競馬場は賦課金収入の減少を受けて、2010年の残り日程のための賞金予算から25万ポンド(約3,500万円)を削減した。この影響は、7月上旬のジュライフェスティバルから実感されるだろう。

 他の競馬場や主要開催においても実行されると思われるが、なかでもファルマスS(G1)は、あまねく実施される賞金削減の結果として1万5,000ポンド(約210万円)が削減される。ただ、ジュライカップ、チャンピオンSおよびデューハーストSだけは無傷だった。

 それに加えてバンベリーカップの賞金額は、ラドブロークス社(Ladbrokes)がその歴史ある同競走との協力関係を終了させたことを受け、2万ポンド(約280万円)が削減されて8万ポンド(約1,120万円)にまで減少した。

 ニューマーケット競馬場は、7月1日から競馬賭事賦課公社(Levy Board:賦課公社)の賞金拠出額が280万ポンド(約3億9,200万円)削減されることに対して措置を講じたため、同競馬場から交付される賞金額には変更はない。他の競馬場も同じような措置を取らなければならなくなると思われ、ジュライフェスティバルは賦課公社の賞金削減の影響を実感する最初の主要競馬開催となるだろう。

 ニューマーケット競馬場の競走担当理事マイケル・プロッサー(Michael Prosser)氏は、「財源の減少のために最低賞金額が減少し、それに応じて少額ではあるが賞金額を削減しなければなりませんでした。これは予測された賞金削減ではありません。2009年に、私たちの2010年の予算は組まれました。年度の途中で財源の削減が生じるのは例外的なことです。賞金を削減するのは辛いことですが、必要なことです」と語った。

 プロッサー氏は、2010年の残りの日程に行われるニューマーケット競馬場の全競走の賞金が見直されるだろうと次のように述べた。

 「財源の削減は深刻なものですが、2010年のニューマーケットの賞金額は依然として900万ポンド(約126億円)を超えています」。

 「7月1日からなされる財源削減は、25万ポンド(約3,500万円)近くになるでしょう。そしてそれは賞金額削減に反映されることになります。そのような削減がなされるのですから、7月1日から10月末までの賞金額の削減を戦略的に検討することは結構なことだと思います」。

 また同氏は次のように付言した。「2008年には反対のことが起こり、賦課公社は、その年の賞金額に見積もられた大幅な損失のために財源拠出を増加させました」。

 「これが意味していることは、最低賞金額が2008年7月1日以前の状況に逆戻りするということです。これは朗報ではなく誠に残念なことですが、私たちは現在、2008年前半の状況に戻っています」。  グローバルスプリントチャレンジの一環をなすジュライカップの登録は締め切られており、その40万ポンド(約5,600万円)の賞金額は維持された。傑出したゴールデンジュビリーS勝馬のスタースパングルドバナー(Starspangledbanner)、昨年の勝馬フリーティングスピリット(Fleeting Spirit)、およびニッコーニ(Nicconi)、アルヴェルタ(Alverta)、キンセールキング(Kinsale King)およびハッピーゼロ(Happy Zero)が、今年のジュライカップの出走馬として予定されている(訳注:7月9日に施行された同レースではスタースパングルドバナーが優勝した)。

 プロッサー氏は、「私たちの主要3競走であるジュライカップ、デューハーストSおよびチャンピオンSは、財源減少にもかかわらずそのレベルを維持するでしょう」と述べた。

 「肯定的な側面では、チャンピオンズデイ開催の賞金額は増加するでしょう」。

 競馬番組全体で賞金額の削減は避けられないようである。賦課公社は6月24日、2010年に更なる財源拠出削減が必要であるかを決定するための会合を持つ。

 馬主協会(Racehorse Owners' Association)のマイケル・ハリス(Michael Harris)会長は、「非常に気の滅入るような状況であり、賦課金の減少が反映されています」と述べた。

 同会長は次のように語った。「私たちは、少なくとも競馬場が拠出する賞金額およびスポンサー料を維持するよう競馬場に促すため、できることはすべて行っています」。

 「現在の唯一の成長分野は映像権収入と見られますから、この映像権収入により、賦課金に何が起きようと少なくとも競馬場が拠出する賞金額およびスポンサー料を維持するよう競馬場に促していく必要があります」。

ジュライフェスティバル主要レースの賞金削減
施行日 レース名 以前の賞金額 現在の賞金額
7/7(水) チェリーヒントンS £74,000
(約1,036万円)
£70,000
(約980万円)
−£4,000
(−約56万円)
ファルマスS £200,000
(約2,800万円)
£185,000
(約2,590万円)
−£15,000
(−約210万円)
7/8(木) バーレーントロフィー £65,000
(約910万円)
£60,000
(約840万円)
−£5,000
(−約70万円)
ジュライS £74,000
(約1,036万円)
£70,000
(約980万円)
−£4,000
(−約56万円)
プリンセスオブ

 

ウェールズS

£100,000
(約1,400万円)
£95,000
(約1,330万円)
−£5,000
(−約70万円)
7/9(金) スーパーラティブS £74,000
(約1,036万円)
£70,000
(約980万円)
−£4,000
(−約56万円)
バンベリーカップ £100,000
(約1,400万円)
£80,000
(約1,120万円)
−£20,000
(−約280万円)
ジュライカップ £400,000
(約5,600万円)
£400,000
(約5,600万円)
0
  合 計 £1,087,000
(約1億5,218万円)
£1,030,000
(約1億4,420万円)
−£57,000
(−約798万円)

By Jon Lees
(1ポンド=約140円)

[Racing Post 2010年6月24日「Newmarket cuts prize-money as fall in levy yield takes effect」


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