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海外競馬ニュース
2010年07月22日  - No.29 - 4

ウェザビーズ社、アイルランドの産駒登録減少で打撃(アイルランド)[生産]


 ウェザビーズ社(Weatherbys)の最新の報告によれば、2009年にはアイルランドにおける産駒登録数が2008年の1万2,419頭から1万167頭に減少したことにより、2009年のウェザビーズ・サラブレッド社(Weatherbys Thoroughbred)の登録収入は2008年よりも40万ポンド(約5,600万円)下回るという結果となった。

 ウェザビーズグループのジョニー・ウェザビー(Johnny Weatherby)会長は、「血統登録課は非営利で運営していますが、私たちが競馬産業へ拠出する収益を出せるかどうかは、毎年の産駒登録数とりわけアイルランドの産駒登録数にかかっています。2009年に私たちは苦しみ、2010年の展望も予想通り芳しくありません」と語った。

 2009年は、出馬表、IT およびポイント・トゥ・ポイント競走(訳注:アマチュア騎手による障害競走)の各部を含む商業的なベンチャー(Ventures)部門にとってとりわけ“厳しい”年であったと英国競馬の役員は表現した。ベンチャー部門の売上げは4%減少し、1,257万ポンド(約17億5,980万円)となったが、税控除前利益は31%減少し97万6,000ポンド(約1億3,664万円)であった。

 BHA(英国競馬統括機構)と契約し血統登録業務を請け負っているウェザビーズ・サラブレッド社の全体的な売上げは、辛うじて1,012万ポンド(約14億1,680万円)に達したが、経費が増加したため、税控除前利益は40%減の36万ポンド(約5,040万円)となった。

 ウェザビー会長は、経費全体で100万ポンド(約1億4,000万円)が削減されたが、グループ会社をウェザビーズ社(Weatherbys Ltd)とウェザビーズ銀行(Weatherbys Bank)の2社に再編することによってさらなる節約が行われるだろうと付言した。

 そして、「私たちは多くの子会社を抱えすぎており、それぞれに役員会があり監査報酬が生じていました。したがって、私たちは皆様に知られているウェザビーズ社とウェザビーズ銀行に立ち返ります」と語った。

 ウェザビーズ銀行は、ロジャー・ウェザビー(Roger Weatherby)社長によれば、経営状態は好調である。この好調は、多くの金融機関が明らかに四苦八苦している中で、ウェザビーズ銀行が融資とリスクに関して慎重な取組みを行ってきた結果であると同社長は考えている。

 同社長は、「私たちは多くの落とし穴をなんとか免れたことになります。このことは、ウェザビーズ銀行における新規顧客および常連顧客からの取引が大幅に増加したという事実から分かります」と語った。

 預金総額の半分しか貸付を行わない方針のウェザビーズ銀行は、運用益を387万8000ポンド(約5億4,292万円)から208万9,000ポンド(約2億9,246万円)にまで落とした。しかし顧客への貸付金は、8,600万ポンド(約120億4,000万円)から9,600万ポンド(約134億4,000万円)に増加し、総資産は6%上昇して2億4,700万ポンド(約345億8000万円)となった。

 ロジャー・ウェザビー社長は、「ウェザビーズ銀行は長期的観点に立って考えており、経済が回復する時には良い環境になると確信しています。バランスシートの改善に何年も要する多くの大手金融機関のケースとは異なるでしょう」と付言した。

By Howard Wright
(1ポンド=約140円)

[Racing Post 2010年6月12日「Weatherbys hit by fall in Irish foal registrations」]


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