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海外競馬ニュース
2010年04月15日  - No.15 - 3

インド、米国繁殖牝馬の輸入禁止(インド)[生産]


 米国の繁殖牝馬市場は、近頃の厳しい状況の中でジグソーパズルの1ピースを失っている。というのは、馬伝染性子宮炎(contagious equine metritis)に対する懸念のため、インドでは米国から種牡馬および繁殖牝馬を輸入することが不可能になっているからだ。

 インド当局はまた、英国とフランスからの繁殖牝馬および種牡馬の輸入を禁止した。繁殖に供用されたことのない馬は制限を受けることはなく、インドの牧場はこの冬、米国のフィップス・ステーブル(Phipps Stable)からのG1馬ダンシングフォーエヴァー(Dancing Forever)を含む数頭の種牡馬となる馬を確保した。

 インドはアイルランドからの輸入馬に関しては何の措置も取っていないことから、インドの購買者は、ゴフス社(Goffs)の11月の種牡馬セールと2月セールの大量購入者であった種牡馬エージェントのヒューゴ・メリー(Hugo Merry)氏を通したアイルランドでのセールに注目している。

 メリー氏は、自身が1991年からキーンランド協会のセールにおいてインドの購買者を代表していると語った。輸入禁止は数年前に発令された。

 同氏は次のように語った。「私は通常キーンランド協会のセールで、また個人的には英国、アイルランドおよびフランスにおいて馬を購買しており、その対象国は広がっています。さまざまな場所で購買しています。しかし私は今や、ゴフス社のセールのみで購買しなければならなくなりました。インドの顧客は近年、より多くの繁殖牝馬を購買するようになりましたが、それほど多数というわけではありません。2008年に私はインドに98頭輸入し、2009年は110頭輸入しました。インドの顧客は購買に積極的であるという見解がありますが、彼らは他のセリ会社に興味を持たず、ゴフス社で行われるセールでしか購買していないようです」。

 「長期的な観点から見ても、アメリカのセリ会社のカタログへの興味は、芝競走に関してはかなり減退しています。したがって、アメリカの繁殖牝馬市場がインドの生産者にとってどれだけ重要な存在になるかについては確信が持てません。インドでは競馬は100%芝で行われています」。

 一般的に繁殖牝馬が馬伝染性子宮炎を含むさまざまな感染症に罹っていないという証明が要求される米国のサラブレッド産業において、馬伝染性子宮炎はまったく報告されていない。

 キーンランド協会のセリ販売代理人であるチョーンシー・モリス(Chauncey Morris)氏は、「うまく行けば、科学的事実をインド当局が認識し、他の国々の馬と同様に米国のサラブレッドの輸入も認めさせることになるでしょう」と語った。

 メリー氏は、2010年末までには制限が解除されることを期待していると付言した。

By Jeff Lowe

[Thoroughbred Times 2010年3月6日「U.S. broodmares off limits for India」]


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