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海外競馬ニュース
2009年12月10日  - No.49 - 3

ジェラティー騎手、走路を間違え 12日間の騎乗停止(イギリス)[その他]


 バリー・ジェラティー(Barry Geraghty)騎手は10月31日、ウェザビー競馬場の総賞金4万ポンド(約680万円)の牝馬限定障害特別競走で、勝つと思われたマイペトラ(My Petra)に騎乗したものの走路を間違ったため、観客からブーイングを受け、裁決委員からは12日間の騎乗停止処分を受けた。

 2度アイルランドのチャンピオン騎手となったことのあるジェラティー騎手は、すぐに自身の間違いに気がついた。マイペトラは、リチャード・ジョンソン (Richard Johnson)騎手を背に1年前のこのレースで優勝していた。今回オッズ5倍で人気の同馬に騎乗したジェラティー騎手が検量室前で下馬した際に、競馬 ファンの大ブーイングが沸き起こった。

 ゴールドカップとグランドナショナルを勝ったジェラティー騎手は、自身の1000勝を達成しようとその日のレースに挑んでいた。しかし、結果はパディパ ワー・ゴールドカップ、モージアナ・ハードル、ベットフェア・チェイスおよびベッシャー・チェイスのような重要レースへの騎乗機会を逃すという重大な結果 を招くこととなってしまった。

 ジェラティー騎手は、今回の2マイル(約3200 m)の牝馬限定障害競走においてマイペトラに騎乗し、向こう正面では最後方の馬群から抜け出し先頭に立ち、ゴールに向かって左周りの4コーナーに入った時 も依然として先頭に位置し全速力で走っていたように見えた。しかし、同騎手はどういうわけかコーナーの内側に向かって進路を取り、正規の外周り置障害コー スではなく、内周り固定障害コースに進み、手遅れになるまで自身の間違いに気づかなかった。

 ジェラティー騎手は次のように語った。「私は先頭で障害を飛び、容易に着地できました。私が内側の方に曲がっている内柵に沿って進んでいたちょうどその とき、太陽が目に入ってしまいました。それはちょっとした言い訳にしかなりませんが、目の前、後方、周りで起こっているすべてのことを把握するように努め ていたときだったのです。私が内柵に沿って走りすぎたと気づいたときには、正規コースを示す標識は私のはるか外側後方でしたので万事休すでした」。

 ジェラティー騎手が間違ったコースを走るのをやめさせるために、他の騎手たちが叫んだらしいが、ジェラティー騎手は、「彼らが叫んでいるのは聞こえませ んでした。チョック(Choc)騎手とジョン・ファレリー(John Farrelly)騎手は、あやうく私に続いて間違ったコースに入りそうになったと言っていました」と述べた。

 ジェラティー騎手は次のように付言した。「正規のコースを示す標識は私の走っているコースにはありませんでした。私は予め馬場を歩いて標識を確認してい ましたので、誰よりも残念に思います。12日間の騎乗停止処分は非常に重い罰則です。おそらくその罰則をすべて受け入れるのは当然だと言われるのは分かっ ていますが、このようにしてレースに負け、チャンネル4の生中継で恥をかいたわけですから、罰則としては十分です。まったく痛い目に遭いました」。

 違反に対して勧告される騎乗停止処分は、10日〜14日である。ウィリアム・ナンレイ(William Nunneley)氏は、ウェザビー競馬場の裁決委員を代表して、「もしジェラティー騎手の勝利が確実だったと裁決委員会が判断すれば、14日間の最大限 の騎乗停止処分が申し渡されたでしょう」と述べた。

 同氏は、「ジェラティー騎手はお手上げのジェスチャーで、このことを非常に後悔するとともに、かなり困惑していました」と付言した。

 ジェラティー騎手はこの事件後5鞍に騎乗したが勝てず、999勝のまま10月31日の騎乗を終えた。11月14日から25日に罰則が執行されるジェラティー騎手は、11月1日にコーク競馬場で3鞍騎乗する予定である。

 ブックメーカーのパディパワー社(Paddy Power)はマイペトラの馬券を買ったすべての賭事客に返金を行った。

By David Carr

[Racing Post 2009年11月1日「Geraghty hit with 12-day ban after taking wrong course」]


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