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TOPページ > 海外競馬ニュース > 馬場状態測定器、使用義務化6ヵ月目でも賛否両論(イギリス)[その他]
海外競馬ニュース
2009年08月06日  - No.31 - 2

馬場状態測定器、使用義務化6ヵ月目でも賛否両論(イギリス)[その他]


 英国の競馬場でターフトラックス社(TurfTrax)のゴーイングスティック(GoingStick: 馬場状態測定器の商品名)の使用が義務づけられてから6ヵ月が経った。しかし、科学的に馬場状態を測定するこの携帯型の器具が馬主、調教師および賭事客に とってはたして有益かという疑問が残っている。

 全競馬場に一律に適用可能な基準がないことについて、競馬関係者の間には引続き賛否両論あるものの、英国競馬統括機構(British Horseracing Authority: BHA)は個々の競馬場のデータが集積されたデータベースができればその価値が証明されると主張する。

 ターフトラックス社はゴーイングスティックの使用者による評価をまとめて、数週間内にBHAに提出する模様である。BHAの広報担当ポール・ストラサー ズ(Paul Struthers)氏は、「現在はデータベースの構築段階であり、データが充実すれば、馬場取締委員、賭事客、競馬場来場者などには利用価値が高まるで しょう」と述べた。

 この装置は非常に長い試行を経て導入されたが、懐疑的な人々は未だにゴーイングスティックが所期の目的を果たしていないのではないか、またその測定値は期待していたほど競馬界の共通の指標になっていないのではないかという疑問を投げかけている。

 ゴーイングスティックの長さ4インチ(約10.16 cm)の金属製の測定部分は馬場に突き刺す際に必要な力と、突き刺した挿入部を45度の角度まで引き倒すのに必要な力の大きさに基づいた数値が表示される。この数値は蹄が馬場から受ける衝撃の大きさに関係する。

 所要のデータを集めるためには、障害競走の馬場では最大80地点、また平地競走の馬場では最大60地点で、それぞれ3回測定して平均値を取る必要があ り、時間を要する作業である。簡単に言えば、この測定器には目盛りが1から15まであり、馬場状態は平均測定値の数値が小さいほど軟らかく、大きいほど硬 い。しかし競馬場の馬場はその土質、起伏その他の特徴がそれぞれ異なっており、公表された馬場状態が同じ(例えば稍重馬場good)でも、それに付記され た平均測定値はまちまちである。

 馬場状態発表の信頼性が長い間議論の的になってきたので、ゴーイングスティックは信頼性の確立に役立つと期待された。BHAは時がたてばデータの価値が分かると自信を持っているが、競馬場間で測定値の一貫性が保たれないことが一部の人々の不信を招いている。

 アスコット競馬場の馬場取締委員であるクリス・スティッケルズ(Chris Stickels)氏もその1人で、次のように述べている。「よい器具であるとは思いますが、どのように測定値を解釈するかが重要です。ゴーイングス ティックの測定値と実際の馬場状態を比較すると、結果は競馬場によってまちまちです。アスコット競馬場での測定値10とリングフィールド競馬場での測定値 10とでは、乗り心地はまったく違うでしょう。これは土質の違いによるものです」。

 「これがゴーイングスティックの定着を難しくしている点です。しかし、特定の競馬場でデータが充実してくれば、その競馬場の馬場状態の全容が明らかに なってきます。競馬場間で測定値は比較できませんが、たまに異常はあるものの当競馬場(アスコット)の馬場状態に関しては、今や明確なパターンのあること がわかりました」。

 「測定値が10であればすなわち“稍重馬場”であるというのが当初のコンセプトでしたが、現実はそうではありません。たとえアスコット競馬場であって も、曲線コースの測定値10と直線コースの測定値10は馬場状態が異なっています。私たちはゴーイングスティックの測定値にとらわれず、どのような騎乗が できる状態の馬場であるかを発表し、それにゴーイングスティックの測定値を添付しています」。

 エクセター競馬場とウィンカントン競馬場の馬場取締委員であるバリー・ジョンソン(Barry Johnson)氏は、ゴーイングスティックはときどき間違った測定値が表示されることがあると主張し、この器具に対する評価は芳しくない。

 ジョンソン氏は、「扱いにくい器具だと思いますし、いくつかの競馬場では使えますが他の競馬場では無理です。どんな測定値が出るか、すべて土壌構造と馬 場構造しだいです。ウィンカントン競馬場は粘土ベースで圧倒的に良質の土が占めているので正しい測定値が出ますが、それに対してエクセター競馬場は泥炭の 多い土質で、雨でぬれた時には測定値にばらつきが出て測定が難しいのです」と語った。

 プロの賭客であるデーヴ・ネヴィソン(Dave Nevison)氏は、「多分良い器具だとは思います。率直に言って測定基準も、ましてその意味も知らないので、ゴーイングスティックの測定値を参考にす ることはありません。レーシングプログラムでは、馬場が“稍重から重”もしくは“稍重から良”であるかを見るのです。賭事客としては支持している馬がその 馬の走るべき馬場状態で走っているかどうかを知りたいだけです」と語った。

(関連記事)海外競馬ニュース 2008 No.48「2009年から馬場状態測定器を全面採用」

By Graham Green

[Racing Post 2009年7月7日「GoingStick still dividing opinion six months on」]


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