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海外競馬ニュース
2009年07月30日  - No.30 - 3

アスムッセン調教師、業務停止処分に異議申し立て(アメリカ)[その他]


 ロンスターパーク競馬場の裁決委員は7月16日、最優秀調教師のスティーブ・アスムッセン(Steve Asmussen)調教師に、2008年の尿検査で同調教師の管理馬からリドカイン代謝物(lidocaine metabolite)の陽性反応が出たために、業務停止処分6ヵ月と1500ドル(約15万円)の過怠金を課した。

 裁決委員は、業務停止期間を7月20日から1月15日までとした。アスムッセン調教師の弁護士カレン・マーフィー(Karen Murphy)氏は、ただちにテキサス州競馬委員会(Texas Racing Commission: TRC)に異議を申し立て、執行停止を求めた。同弁護士は要求が認められるものと考えている。

 またマーフィー弁護士は、異議申し立ての審理を行政法判事(訳注:行政機関が行う審判を担当する、身分保障があり独立した立場で審理する判事)に担当させるよう、TRCに求めている。

 同弁護士は、「問題は立証責任が私たち(アスムッセン調教師の側)に転じたことです。異議申し立ての審理では、裁決委員たちがアスムッセン調教師を有罪 とし処罰の内容を決める際に、明らかに過ちを犯したということを立証しなければなりません。これは非常にタフな仕事です」と語った。

 マーフィー弁護士が不満としている点は、2008年5月10日の未勝利競走優勝後、ティンバートリック(Timber Trick)の馬体から検出されたとされるリドカインの定量(量の測定)について、裁決委員がこれを再検討しないとの決定をしたことである。テキサス州は 競馬での禁止薬物の使用に対してゼロ・トレランス主義(zero tolerance: 0以外は陽性)を取っており、ティンバートリックはこの競走で失格となった。

 同弁護士は次のように語った。「裁決委員たちは定量データも入手できたはずです。法律およびガイドラインの解釈・運用については、裁決委員たちは完全な 権限を有しています。ところが彼らは何も要求する権限を有していないといいます。これは驚くべきことです。なぜ裁決委員がデータを要求しようとしないのか 理解できません」。

 「このことは、彼らが審判者としての自覚がないことを示しています。審判者として行動すべきです。それにつきます」。

 アスムッセン調教師は、ティンバートリックへのリドカイン投与を否定している。なお、同調教師は、ルイジアナ州でのメピバカイン (mepivacaine)使用による薬物違反とニューメキシコ州でのアセプロマジン(acepromazine)使用による薬物違反のかどで、2006 年から2007年初めまで6ヵ月の業務停止処分を受けたことがある。

 傑出した調教師として2008年エクリプス賞を授与されたアスムッセン調教師は、現時点において2009年の勝鞍でも収得賞金でも米国トップに立ってお り、他に大差をつけてリードしている。レイチェルアレクサンドラ(Rachel Alexandra)は同調教師の厩舎が誇るスター3歳牝馬である。

By Jeff Lowe
(1ドル=約100円)

[thoroughbredtimes.com 2009年7月16日「Asmussen hit with six-month suspension, files appeal」]


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