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海外競馬ニュース
2009年04月30日  - No.17 - 3

ハリウッドパーク競馬場再開発で 競馬場消滅の危機(アメリカ)[開催・運営]


 カリフォルニア州イングルウッド市にあるハリウッドパーク競馬場を解体し、その238エーカー(約95.2 ha)の跡地に62万平方フィート(約5.6 ha)の複合施設を建設する計画が具体化しつつある。

 このプロジェクトの25平方フィート(約2.25 m2)の模型は3月12日、イングルウッド市の主だった人々に披露され、その週末にハリウッドパーク競馬場で一般市民に公開された。

 開発業者が早ければ2010年1月に着工できるよう、地方議会は4月か5月に計画承認について採決を行う予定である。

 ハリウッドパーク競馬場のジャック・リーボー(Jack Liebau)場長は、同競馬場の所有者であるストックブリッジ不動産ファンド(Stockbridge Real Estate Funds: SREF)から競馬場および施設の再開発予定表を受け取っていないと述べた。これにはR.D.ハバード社(R.D. Hubbard)のポーカールームも含まれている。

 リーボー場長は、「私たちはハリウッドパーク競馬場でいつまでも競馬が続けられるという想定のもとで事業を運営しています。死に体で競馬場を運営し続けるつもりはありません。最善を尽くすつもりです」と語った。

 ハリウッドパーク競馬場は、4月22日〜6月19日に予定されている春夏開催の実施を約束した。秋開催の日程は設定されていない。

 SREFは2005年7月、関連会社のベイメドウズランド社(Bay Meadows Land Co.)を通してチャーチルダウンズ社(Churchill Downs Inc.)からハリウッドパーク競馬場を2億6000万ドル(約260億円)で買収した。その目的が競馬以外であることは直ちに推測できたが、新所有者の ベイメドウズランド社のテリー・ファンチャー(Terry Fancher)氏はその時、少なくともあと3年は競馬場の経営を続行すると約束していた。

 現在、他の多くの競馬場が閉場や開催日数削減を検討している。1938年に開場したハリウッドパーク競馬場は消滅寸前ではないかと心配されている。

 リーボー場長は、「2005年9月にテリー・ファンチャー氏は、競馬のビジネスモデルは変革が必要であると主張しました。ハリウッドパーク競馬場の現状 とマグナエンターテイメント社(Magna Entertainment Corp.)の民事再生手続の申立ては、彼の意見が正しかったことを証明しました」と述べた。

 リーボー場長は、「ゲーミングの分野を拡大できなかった競馬産業はビジネスチャンスを逸しました。その点について、政治的支援はほとんどありませんでし た。他の競馬場にはカジノ開催の権利を持っているインディアン部族と取引することを望むものもありましたが、協定はできませんでした」と付言した。

 ハリウッドパーク競馬場は景気悪化により、今後施行される開催の賞金額を150万ドル(約1億5000万円)削減した。具体的には3つの重賞競走を中止し、下級条件競走の賞金レベルを維持することを選択した。

 ハリウッドパーク競馬場の再開発費用は20億ドル(約2000億円)と見積もられている。それには小売店、レストラン、映画館、装いを新たにしたカジノ、住宅ユニット、事務所スペース、25エーカー(約10ヘクタール)の駐車場および市民スペースが含まれている。

 カリフォルニア州競馬委員会のジョン・ハリス(John Harris)会長は次のように語った。「確実といえるものは何もない状況です。不動産市場は低迷しており、開発計画を数年間凍結したほうが良いほどで す。ハリウッドパーク競馬場を運営したい人がいれば売った方が良いでしょう。競馬場の不動産価値はあります」。

By Larry Stewart

[Thoroughbred Times 2009年3月21日「Hollywood proposal would not include racing」]


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