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海外競馬ニュース
2009年04月23日  - No.16 - 2

フェアプレイ騎手に対する 処分加重ルールの緩和(イギリス)[開催・運営]


 英国競馬統括機構(British Horseracing Authority: BHA)は騎手協会(Professional Jockeys’ Association: PJA)とともに、免許停止処分の加重ルールを見直している。その一環として不注意騎乗に限ってであるが、無違反(フェアプレイ)の騎手に対する報奨シス テム(罰則緩和)も検討される予定である。

 ジェイミー・スペンサー(Jamie Spencer)騎手が3月19日付本紙で批判したように、現行の処分加重ルールの下では、個別の反則行為に対する制裁に、それまでの一定期間の反則行為を勘案して制裁を加重するので、騎乗停止期間が長期に及ぶことになる。

 全天候型馬場の騎手ランキングでクリス・カトリン(Chris Catlin)騎手に首位を譲ったスペンサー騎手は、「制裁のリスクを避けようとして追い方が萎縮してしまいます。もし加重ルールがなければ冬開催においてもっと活躍できたでしょう」と述べた。

 これに対してBHAの広報担当ポール・ストラサーズ(Paul Struthers)氏は、「常習的な反則行為を抑止するために加重ルールが導入されました。3シーズン連続で不注意騎乗により加重ルールを適用された騎 手は2人しかいませんが、スペンサー騎手はその1人です。同騎手には100日を超える騎乗停止処分が言い渡されました」と述べた。

 しかし、ストラサーズ氏は、「現在PJAと協議しながら、フェアプレイ騎手が報われるよう加重ルールの改正を検討しています」と付け加えた。

 PJAのジョシュ・アピアフィ(Josh Apiafi)理事長は、「現在この作業は進行中ですが、 “タイムオフ”も検討しています。すなわち、フェアプレイ騎乗回数が一定回数に達している騎手については、加重ルールにより加算される騎乗停止日数を軽減 する仕組みです」と語った。

 このほか、加重ルール改正の目的を騎乗停止3日〜4日となる程度の反則行為抑止に置き、1日の騎乗停止は騎乗停止合計日数に加えないこととするか、その 可否が検討されるだろう。ちなみに、騎乗停止処分を受けた反則行為の大多数は、1日〜2日の騎乗停止が課せられる比較的軽い反則行為である。

 アピアフィ理事長は次のように付言した。「私たちはBHAに罰則を手加減するように依頼したわけではありません。不注意騎乗と果敢に攻める騎乗は紙一重 です。騎手は競争心が旺盛でなくてはやっていけません。もし騎手が一生懸命馬を追わなければ、賭事客たちは金切り声を上げるでしょう」。

 「騎乗停止を受けると加重ルールが適用され、停止期間が加算されるおそれがあったとしても、騎手にはレースで果敢に攻め、闘争心を発揮してもらいたいというのが、誰しもの思いでしょう」。

By Graham Green

[Racing Post 2009年3月20日「BHA considering totting-up time off for good behaviour」]


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