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海外競馬ニュース
2009年04月09日  - No.14 - 4

ニューマーケット、新たな腺疫は発生せず安堵(イギリス)


 3月16日に英国競馬統括機構(British Horseracing Authority: BHA)はニューマーケットで競走馬1頭が、感染力が強く致命的となり得る疾病である腺疫に罹っているという報告を前日に受けたが、そのほかの馬に腺疫の 発生は見られないと発表した。

 ウィリアム・ジャーヴィス(William Jarvis)調教師の管理馬のうち1頭が腺疫に罹っていると診断され、入厩しているファントムハウス厩舎(Phantom House stables)で他馬から隔離されたことから、ニューマーケットは厳戒態勢に入った。

 この馬名の付いてない馬は獣医師とアニマル・ヘルス・トラスト(Animal Health Trust)の監視下に置かれ、ジャーヴィス調教師の残りの管理馬にも腺疫の脅威と戦うための幅広い防疫措置が取られている。

 BHAの馬科学・福祉担当理事ティム・モリス(Tim Morris)氏は、「現時点では1件発生しただけで、他の厩舎や牧場からの発生報告は全くありません。非常に良いニュースです。拡大しなかったのは幸いでした」と語った。

 モリス氏は、腺疫が発生した後の防疫措置に満足している。一方、ニューマーケット調教師連合会(Newmarket Trainers’ Federation)のマーク・トンプキンス(Mark Tompkins)会長はジャーヴィス調教師の機敏な行動を賞賛した。

 同会長は、「ウィリアム・ジャーヴィス調教師の判断は秀逸でした。彼はただちに私たちに報告し、必要な措置をすべて行いました。問題の馬を即座に隔離して、BHAに報告するなどその手際は完璧でした。同調教師の情報が他の全ての調教師に伝わりました」と述べた。

 「ジャーヴィス調教師は囲い地で全管理馬を対象に綿棒による鼻汁検体(swab)を採取しました。そして、午後に他の調教師たちの馬が調教場を離れた後 に自身の管理馬の調教を行いました。このような事態においてどのように行動するべきか、その模範を示しました。その努力は賞賛されるべきです」。

 腺疫が競馬界を襲ったのは最近では5年前である。その際には、ダービーの10日前にエプソム競馬場近くの牧場で2件の発生が確認され、その朝に予定され ていたイベントである“ブレックファースト・ウィズ・ザ・スターズ(Breakfast With The Stars 訳注:競馬場で調教を見ながら関係者と朝食を取る催し)”の中止を余儀なくされた。

 クレイヴン開催を1ヵ月後に控え、ニューマーケット競馬場もBHAに遅れることなく対応している。タタソールズ社(Tattersalls)もまた、4月14日〜16日にクレイヴン・ブリーズアップセールの開催を予定しており事態を注視している。

 タタソールズ社の販売部長ジミー・ジョージ(Jimmy George)氏は、次のように語った。「言うまでもないことですが、今回疾病が発生した牧場から売り出される馬については、売り手とコンサイナー(上場 人)から獣医師の無病証明書を提出してもらいます。これはセリ前の9ヵ月間に敷地で腺疫が発生していないことを証明する書類です」。

By Tony Elves

[Racing Post 2009年3月17日「So far so good with no new strangles cases in Newmarket」]


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