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海外競馬ニュース
2008年10月30日  - No.43 - 3

金融引き締めと経済の不確実性が場内賭事店オークションに影響(イギリス)[その他]


 9月29日、一年半ぶりに場内賭店の出店場所のオークションが開催された。多数の物件が最低希望価格に達せず落札しなかったのを見て、あるブックメーカーは買い手市場だと歓迎した。

 場内賭店の出店場所の価格は、? 10年前に場内賭店の出店場所の取引が初めて認められ売買高が数十万ポンドに達し勢いの良かった時代と比べて、価格水準は下がっており、また、? 金融危機や2012年9月から場内賭店の出店場所の保有権を認めないという競馬場協会(Racecourse Association)の決定により打撃を受けてはいる。しかし、大方の場内ブックメーカーたちは、価格は下げ止まりつつあると見ている。

 9月29日テットレー競技場(ラグビーのデューズベリー・ラムズのホームスタジアム)におけるオークションでは、101物件のうち落札されたのはわずか6物件であった。しかし、オークションを開催した場内賭事管理社(Administration of Gambling on Tracks Limited: AGT)の役員たちは、オークションの後で多くの出店場所が売り手との相対取引で売却されたと指摘した。

 売れ残り物件の中には、チェルトナムフェスティバルにおける2物件が含まれている。このうち1物件については最低希望価格8万ポンド(約1920万円)に対し、入札額は4万ポンド(約960万円)に過ぎず、もう1物件についても、最低希望価格5万ポンド(約1200万円)に対して入札価格の最高は2万8000ポンド(約672万円)であった。20物件についてはまったく入札がなかった。

 競売人を務めたAGTの最高経営責任者ティム・ムーア(Tim Moore)氏はオークションの後、「私たちは変動期にあり、人々はオークションにかけられた物件にどのような価値があるのか分らず、手を出しません。市場は落ち着くところに落ち着くでしょう」と述べた。

 同氏はまた、「ブックメーカー達は、オークションが開催されたことと市場が確立されつつあることに満足していると思います。数字が出たら分析検討します。出店場所の保有権に関するしこりもあり、その取引は絶頂期にはありません」と語った。

By David Carr
(1ポンド=約240円)

[Racing Post 9月30日「‘The double-edged sword of the credit crunchand the uncertainty has had an effect on the market’」]


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