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海外競馬ニュース
2008年10月23日  - No.42 - 3

アイスランディックの調教師、落鉄による3着を悔やむ(イギリス)[その他]


 イタリア人馬主が所有するアイスランディック(Icelandic)が9月11日サンダウン競馬場で施行されたフォーチュンS(準重賞)に出走した際に、同馬の関係者たちはコミュニケーションの欠如に失望した。

 6歳の同馬はスタート前に左前肢の蹄鉄が外れたまま発走し、勝馬アトランティックスポート(Atlantic Sport)に4馬身1/4差、2着のディジール(Dijeerr)にハナ差で敗れただけで、3着に入線するという賞賛に値する健闘をした。

 騎乗したミルコ・デムーロ(Mirco Demuro)騎手は蹄鉄を装着するように発走委員に頼んだが、蹄鉄なしで走るか出走を取りやめるかしかないと申し渡された。ところがその後、その時点において装蹄師は発走地点に居り、この問題に対処できたことが判明した。

 フランク・シュリダン(Frank Sheridan)調教師は、次のように語った。「アイスランディックは発馬機の前で落鉄し、発馬係はその蹄鉄を頭上に上げて発走委員に見せました。他の4頭の出走馬が発馬機の前にいて、装蹄師はその後ろにいました。蹄鉄の装着はできたと容易に想像できるでしょう」。

 「デムーロ騎手は、アイスランディックはレースの初めはあまり前に行けず、レース後には跛行して止まったと語りました。同騎手は蹄鉄が適切に装着されていれば、勝つことができたと思ったようでした」。

 「馬主がはるばるイタリアからやって来ていましたので、大変ばつが悪かったです。私は出馬投票用紙をレース45分前に書き込んだ時、どのチェックボックスにもマークを付けませんでしたが、アイスランディックは当然、蹄鉄を装着されると考えていました」。

 「誰も批判するつもりはありません。私はただ、起こったことを明らかにしたいだけです」。

 イタリアで20年以上調教活動をし、現在はイギリスのシュロップシャー州を拠点としているシュリダン調教師は、次のように付言した。「サンダウン競馬場は素晴らしい競馬場です。彼らは、馬主と騎手を迎えるために空港まで車を差し向け、まず昼食をご馳走し、その後も手厚くもてなしてくれました。しかしこの件は忘れられない出来事です」。

 英国競馬統括機構(British Horseracing Authority)の広報担当ポール・ストラサーズ(Paul Struthers)氏は、次のように述べた。「グループ競走と地上波テレビで放映される競走においては、発走地点に装蹄師を待機させることが義務付けられています。発走地点に装蹄師がいましたが、彼は自身の存在を発走委員に知らせていませんでした」。

 「私たちは発走委員たちに、装蹄師の待機が義務付けられていないその他の競走においても、発走地点に装蹄師がいるかどうかを確認するように注意喚起しました。また各競馬場に指示して、装蹄師たちが発走地点で自身の存在を知らせるようにさせるつもりです」。

By Tony Elves

[Racing Post 2008年9月17日「Icelandic team left to rue missing shoe after Sandown third」]


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