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海外競馬ニュース
2008年07月24日  - No.29 - 2

モンマスパーク競馬場の厩舎で調教中の薬物検査実施(アメリカ)[獣医・診療]


 ニュージャージー州競馬委員会(New Jersey Racing Commission: NJRC)は無作為の調教中の競走馬の薬物検査の一環として、モンマスパーク競馬場のリーディング調教師ブルース・レヴィン(Bruce Levine)氏の管理馬のうち40頭以上から血液サンプルを採取した。

 NJRCのフランク・ザンズッキ(Frank Zanzuccki)理事長は、レヴィン厩舎所属の競走馬を検査することは約2週間前に計画され、無作為抽出の方法で実施されたと述べた。

 ザンズッキ理事長は、「普段私たちは公式および非公式の情報をもとにして薬物検査を行っていますが、今回は無作為の抽出で実施しました。近い将来同じやり方で、モンマスパークを拠点としている他の調教師の管理馬の検査をするつもりです」と述べた。

 同理事長は、レヴィン厩舎はモンマスパーク競馬場で初めて調教中の薬物検査が行われた厩舎であると述べた。

 レヴィン調教師は、今開催において56戦27勝を挙げ、調教師成績の首位にある。一方同調教師の僅差のライバルであるエドウィン・ブルーム(Edwin Broome)調教師は49戦13勝で、2着と3着にそれぞれ6回ずつ入線し、入着率は69.9%である。

 NJRCは競走馬への禁止薬物の使用を阻止するために、新しくルール定め、競馬場・厩舎を問わず、また日時を問わず検査ができることとした。調教中の薬物検査は、新ルールに基づき、昨年後半に導入された。NJRCは以前、レース開催日のみ血液サンプル検査を実施していた。

 ニューヨーク州を拠点としているレヴィン調教師は、モンマスパーク競馬場の99日開催の開幕当初における好成績のせいで、管理馬の無作為の薬物検査が行われた可能性があると述べた。

 血液サンプルが採取されたときにニューヨークにいたレヴィン調教師は、「今開催における私の成績が良いから薬物検査の対象にされたのでしょう。他に理由は思いあたりません。しかし、NJRCも理由を明らかにする義務はありません。検査結果にはまったく心配していません」と語った。

 ザンズッキ理事長は、調教中の薬物検査は、赤血球と酸素消費量を増やすことによって競走能力を高めるエポゲン(Epogen: EPO)などの血液ドーピング剤の不正な投与を見つけるために必要であると述べた。

 メドウランズ競馬場では5月、スティーヴン・C・スレンダー(Stephen C. Slender, D.V.M.)獣医学博士が所有し、アーネスト・アダム(Ernest Adam)調教師が管理する、6頭の繋駕競走馬から、NJRCの調教中の薬物検査による初めての陽性反応が出た。

 スレンダー氏とアダム調教師には共に10年間の競馬関与停止処分と5万ドル(約550万円)の罰金が課せられた。

By Tom De Martini

[thoroughbredtimes.com 2008年6月26日「New Jersey officials do out-of-competition testing on Levine barn」]


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