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2008年05月22日  - No.20 - 1

チャーチルダウンズ社、下級条件競走の賞金20%削減通告(アメリカ)[開催・運営]


 チャーチルダウンズ社(Churchill Downs Inc.: CDI)は5月9日、同社所有の競馬場から電話投票(advance deposit wagering: ADW)運営業者への映像提供について、ケンタッキー州のホースメンズ・グループ(Thoroughbred Horsemen’s Group)からホースマンたちの合意が得られなかったため、下級条件競走の賞金を5月14日から20%削減すると発表した。

 このホースメンズ・グループは、ADWによる利益の33%を賞金に拠出するよう求めている。CDIは、この要求を受け入れると提携先のADW運営業者のツインスパイアーズコム社(TwinSpires.com)は収益性を失うだろうと述べた。他方、ホースマンたちとの合意無しでは、CDIは大半のADW運営業者に映像を提供できなくなる。

 CDIのスティーブ・セクストン(Steve Sexton)社長は、「利益の減少を補填するために、下級条件競走の賞金を削減する以外に方法がありません。なぜなら、ケンタッキー州のホースマンたちは競馬ファンがADWのシステムを通して馬券を購入することを阻止するからです」と述べた。同社長は、「私たちは、映像配信の停止は場外と場内のいずれの馬券発売にもネガティブな影響を与えることになるのでがっかりしています。この膠着状態の打開を望んでいますが、現時点においては賞金削減以外の選択肢がありません」と付け加えた。

 フロリダ州のコールダー競馬場(CDI所有)とテキサス州のロンスター競馬場のホースマンたちも、同様の議論を行っている。

 ホースメンズ・グループのマネージャーであるウィルソン・シャーリー(Wilson Shirley)氏は、「ホースメンズ・グループの要求は、賞金に対してADWによる利益を公正に分配することです。賞金は、競馬の発展性を左右する重要指標です」と述べた。同氏はまた、「CDIとその傘下のトラックネットメディア社(TrackNet Media)が、テキサス、フロリダ、ケンタッキーのホースマンたちに提供したADWに関するさまざまな提案は、ADW運営業者の利益確保に重点が置かれた内容になっています」と付け加えた。

 CDIとその子会社の数社は4月24日、フロリダのホースマンたちがコールダー競馬場の映像の配信を拒否したことは違法行為であると主張し、ホースメンズ・グループとその他のホースマンの団体を起訴した。

 5月2日と3日の競走で、ADW利用客に映像を提供することが許可されたのは、ケンタッキーダービー(G1)、ウッドフォードリザーブ・ターフクラシック(G1)およびケンタッキーオークス(G1)だけであった。CDIは、1年で最も大きい収益の望める週末において、場外馬券の売上が2.5%減少したと発表した。CDIは賞金への拠出が約25万ドル(約2750万円)削減されると発表した。

By Frank Angst
(1ドル=約110円)

[thoroughbredtimes.com 2008年5月9日「Churchill Downs cuts overnight purses 20%」]


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