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海外競馬ニュース
2007年03月08日  - No.9 - 2

アーリントンパーク競馬場、ポリトラック社の馬場を選択(アメリカ)[その他]


 2月16日午前、シカゴ郊外のアーリントンパーク(Arlington Park)競馬場の理事長は、2007年の開催前までに、同競馬場にポリトラック(Polytrack)を敷設することを決定したと発表した。このポリト ラックはケンタッキーのキーンランド競馬場(Keeneland Racecourse)が参加する共同経営体によって製作される馬場である。

 アーリントン競馬場は昨年の夏競馬開催中に、事故が頻発し厳しい批判にさらされていた。同競馬場の職員は従来のダートコースに代わる最善策を求めて数ヵ月検討した後、ポリトラックを選択した。

 事故の原因について決定的な答えは得られなかったが、アーリントン競馬場は昨年末、人工馬場では事故が減るということを根拠として、2007年の敷設を発表した。

 アーリントン競馬場の夏開催は5月4日開幕する。同競馬場職員によると、人工馬場の設置工事は厩舎地域がオープンする4月23日までに完成予定とのこと だ。ロイ・アーノルド(Roy Arnold)理事長は,この工事には約1,100万ドル(約13億2,000万円)の費用がかかるだろうと述べた。

 3社の入札の中から選ばれたポリトラック(Polytrack)は、キーンランド協会(Keeneland Association)とポリトラックを発明したイギリス人マーチン・コリンズ(Martin Collins)氏の所有会社との共同経営体によって製造販売されている。

 他の2社は英国出身のマイケル・ディッキンソン(Michael Dickinson)調教師が所有するタペタ・フッティングス(Tapeta Footings)社と英国企業クッション・トラック(Cushion Track)社である。

 他の入札会社を抑えてポリトラック社が選定されたことで、北アメリカの人工馬場施設の市場において、同社がはっきりとリードしたことになる。アーリント ン競馬場の開幕時までには、北アメリカで人工馬場を使用する5競馬場のうち4場が本馬場にポリトラック社製馬場を持つことになるだろう。あとの1場はハリ ウッドパーク(Hollywood Park)競馬場で、クッション・トラック社製を使用している。

 アーリントン競馬場がポリトラック社を選定した主な理由について、アーノルド理事長は、中西部の競馬サークルの一員としてキーンランド競馬場との関係を 重視したためで、アーリントン競馬場の夏開催はキーンランド競馬場(昨年ポリトラックを敷設)の4月と10月の開催に挟まれているからだと語った。

 同理事長は「同じ中西部の競馬サークルが馬場について共同歩調をとり、馬が同じタイプの馬場で走れるようにすることには、付加的な利益があると思いま す。これにより、5月から9月までの我々の開催に出走馬を集めることができるでしょうし、そして我々の競馬場に馬を送る厩舎関係者はキーンランドとアーリ ントンパークの両競馬場で出走させることによって利点が分かるだろうと考えています」と語った。

 アーリントンパーク競馬場はチャーチルダウンズ社(Churchill Downs Inc.)が所有している。同社はニューオリンズのフェアグラウンズ(Fair Grounds)、ケンタッキーのチャーチルダウンズ(Churchill Downs)、フロリダのカルダー(Calder)競馬場の3場の所有者でもある。

 アーリントン競馬場がポリトラックを選択したことは、今後チャーチルダウンズ社が他の所有競馬場にも人工馬場を設置することを決定した場合に、同社の製品を売り込みやすくなりそうだ。

 ディッキンソン氏は声明の中で、アーリントンの馬場工事を落札できなかったことは残念だが、タペタ・フッティングス社はワックス・コーティングに関する 特許を有しており、ポリトラック社に対してその使用を認めているので、同社との契約から利益を得られるだろうと語った。

 タペタ・フッティングス社は、海外のいくつかの調教場の施設に加えて、ゴールデンゲート・フィールズ(Golden Gate Fields)競馬場から年末に人工馬場に切り替える工事の指定業者に選定されている。同競馬場はアメリカ最大の競馬場所有者であるマグナ・エンターテイ ンメント社(Magna Entertainment Corp)の所有場である。

 

(1ドル=120円)
By Matt Hegarty


[Daily Racing Form 2007年2月8日「Arlington opts for Polytrack as new surface」]


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