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2007年12月27日  - No.50 - 1

2008年に3競走がG1に昇格(アメリカ) 新設のブリーダーズカップ競走についてはグレード指定なし(アメリカ)[開催・運営]


 アメリカ・グレード委員会(American Graded Stakes Committee: AGSC)による11月27日の再審査の結果、2008年に芝のG1競走が新たに3競走誕生する。しかし、2007年のブリーダーズカップ(Breeders’ Cup World Championships: BCWC)で新たに施行された3競走には、当面グレードが与えられないことになった。

 AGSCは、交付賞金が7万5,000ドル(約900万円)以上で、出走資格に制限がない718のアメリカの特別競走を審査し、昨年よりも7競走多い合計481競走をG1、G2、G3とした。

 合計で10のグレード競走が昇格した。その内訳は3競走がG1、7競走がG2である。また、新たに18競走がG3競走に格付けされた。G1からG2に格下げされた競走はないが、G2の3競走とG3の3競走はグレード格付けを外された。

 G1競走に昇格したのは、キーンランド競馬場のメーカーズ・マークマイル競走とファースト・レディ競走ならびにベルモントパーク競馬場のジャスト・ア・ゲーム・ステークスで、いずれも芝競走である。

 ブリーダーズカップ社(Breeders’ Cup Ltd.: BCL)は、今年初頭と11月27日のAGSCの会合で、今年第1回目が施行されたフィリー&メア・スプリント、ジュヴェナイル・ターフ、ダートマイルの3競走のG1格付けを検討するように要請する書簡を提出し、BCLのビル・ファリッシュ(Bill Farish)会長が、ゲストとして格付け委員会に出席し、この要請を審議するよう求めた。

 しかしこの3競走が、サンタアニタ・パーク競馬場で施行される2008年BCWCの前に再度審査されないという意味ではない。BCLの役員会は12月7日の会合で、来年にレースを追加する計画を承認するかもしれない。そのうちの1つはおそらく、交付賞金100万ドル(約1億2,000万円)の芝のブリーダーズカップ・スプリントとなるだろう。

 BCLは、2007年のように、来年初頭に要請を行うと見られる。

 「要請を再度提出するかどうかはBCL次第です」とサラブレッド馬主・生産者協会(Thoroughbred Owners and Breeders Association)の産業関係開発担当理事およびAGSCの事務長であるアンディ・シュヴァイガルド(Andy Schweigardt)氏は語った。

 BCLの職員は、諸々の進展について直ちにはコメントを出さなかった。前からあったブリーダーズカップ競走8レースは、全て創設時にG1格付けが与えられた。

 その他G2に昇格したのはオークローン・パーク競馬場のレベルS、キーンランド競馬場のフィフス・サード・エルクホーンS、フージャー・パーク競馬場のインディアナ・オークス、サラトガ競馬場のレイク・ジョージS、ベルモント競馬場のサンズ・ポイントS、サンタアニタ・パーク競馬場のプロヴィデンシアS、ガルフストリーム・パーク競馬場のオールドハットSである。

 タンパ・ベイ・ダウンズ競馬場が2競走のG3格付けを得たことは大ニュースであった。

 同競馬場は今や4つのグレード競走を持つことになった。これまではタンパ・ベイ・ダービー(G3)、ヒルズ・ボローS(G3T)だけがグレード競走だった。

 副理事長兼場長のピーター・ベルーブ(Peter Berube)氏は声明の中で、「看板レースであるフロリダ・オークスとタンパ・ベイ・ダービーの両方がG3の格付けを獲得したのは当場の歴史始まって以来のことです。これはもっと多くの三冠達成能力を持った馬や芝競走の優良馬をひきつけるための重要なステップになるでしょう」と述べた。

 フージャー・パーク競馬場の担当者も同様の反応を示した。G2に昇格した同場のインディアナ・オークスは、インディアナ・ダービー(G2)と比肩するものとなった。同オークスは2000年にG3の格付けを獲得していた。

2008年 グレード競走
格 上 げ ハロルドC.ラムザーSr. H サンタアニタ・パーク
G2→G1 ラアブラS サンタアニタ・パーク
ジャストアゲームS ベルモント・パーク トゥズラS サンタアニタ・パーク
メーカーズマーク・マイル キーンランド エンデバーS タンパベイダウンズ
ファースト・レディS キーンランド フロリダ・オークス タンパベイダウンズ
G3→G2 格 下 げ
サンズ・ポイントS ベルモントパーク G2→G3
オールドハットS ガルフストリームP ワシントン・パークH アーリントン・パーク
インディアナ・オークス フージャー・パーク ナッソー郡S ベルモント・パーク
3/5 エルクホーンS キーンランド サン・ラファエルS サンタアニタ・パーク
レベルS オークローン・パーク G3→特別競走
プロヴィデンシアS サンタアニタ・パーク アケダクトH アケダクト
レイク・ジョージS サラトガ アーリントン・クラシックS アーリントン・パーク
特別競走→G3 ベイメドウズH ベイメドウズ
ミス・グリオS ベルモント・パーク バイユーH フェアグラウンズ
ピルグリムS ベルモント・パーク エセックスH オークローン・パーク
コモンウェルス・ターフS チャーチルダウンズ  
ヴァージニア・オークス コロニアルダウンズ 2008年グレード競走の割合
オウビアH デラウェア・パーク
ロバートG.ディック記念H デラウェア・パーク   2007年
から変更
ボイド・ゲーミング・デルタ・プリンセス デルタダウンズ   競走数 割合
コロネル・E.R. ブラッドリーH フェアグラウンズ G1 110 22.9% +3
アパラチアンS キーンランド G2 155 32.2% -2
ブライアン・ステーションS キーンランド G3 216 44.9% +6
ウッドフォード・リザーブ・バーボンS キーンランド  合計 481 67.0%  
ハニービーS オークローン・パーク 特別競走 231 33.0%  
サウスウエストS オークローン・パーク 有資格競走 718 100.0%  

By Tom LaMarra
(1ドル=約120円)

[The Blood-Horse 2007年12月8日「Committee elevates three stakes to Grade I status for 2008」]


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