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海外競馬ニュース
2007年03月22日  - No.11 - 2

給餌回数が馬に与える影響(アメリカ)[獣医・診療]


 ザ・ホース誌(The Horse)のチャド・メンデル(Chad Mendell)氏は、一般に管理馬の栄養摂取量とエネルギー量を増やしたい場合、給餌量を増やすが、必ずしも給餌回数を増やすことはしない傾向がみられると同誌に書いている。

 テキサスA&M大学(Texas A&M University)の研究者は、最近の研究報告で、給餌回数を増やすことをせずに食餌量を増やすことは、食欲その他の多数の生理作用に影響を与える可 能性があると述べている。研究チームを率いているサマンサ・ミシェル・ブルース(Samantha Michelle Bruce)氏は、「馬は多量のエネルギーを必要とするので、一般的に、穀物かペレットの形の濃厚飼料を1日に2回多量に与えられています。このような給 餌方法から生じる給餌後血糖値の上昇により、レプチンのようなホルモンの生成量が変化する可能性があります」と説明している。

 科学者は、1994年にレプチンおよびレプチンとエネルギー代謝の関係を発見した。これにより、レプチンが成長作用、生殖、免疫作用および骨形成に関係することが明らかになった。

 研究者は、9頭の馬を3つのグループに分けた。各グループは、1日当り2回の給餌、3回の給餌、4回の給餌からなる給餌方法を11日間繰り返した。馬は 研究期間中、同じ濃厚飼料を与えられた。研究データは、1日に2回食餌を与えられた馬は、1日のレプチン生成量に明確な変動があったが、1日に4回食餌を 与えられた馬は、レプチン生成量に変動がなかったことを示している。

 ブルース氏は、「この研究は、同じ体調である馬の間でもレプチン濃度にかなりの違いがあることを示しています。この研究は、多量の濃厚飼料を1日に2回 馬に与えることは、血清レプチンの平均濃度を高め、また24時間のレプチン生成量を変動させる可能性があることを示しています」と述べ、これは馬にとって 不自然な状態であると説明している。

 ジャーナル・オブ・アニマルサイエンス(Journal of Animal Science)の2006年9月号に発表されたこの研究には、E. M.マイケル=エラー(E. M. Micheal-Eller)氏、ピート・ギブズ(Pete Gibbs)氏およびゲーリー・ポッター(Gary Potter)氏も参加している。

 

By Amanda H. Duckworth


〔The Blood-Horse 2007年1月27日「Feeding Frequencies」〕


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